Progress Eve完成
textes/notes/音楽
written 2011/4/2
前作「CPU」は1月22日に完成。その後、動画作ったり頼まれた絵を描いたりして、新しい曲に取りかかったのは3月はじめ頃。しかし歯肉炎の強烈な痛みに悩んでいたら今度は3月11日、東日本大震災。原発事故のニュースに翻弄され、無為の内に時間はどんどん過ぎた。
やたら時間がかかり、ようやくできた本作「Progress Eve」は、一応「プログレッシブ・ハウス Progressive House」のつもり。
ナウくてヤングな音楽に挑戦してみたくなり、こういうの作ってみました。
音源:http://www.signes.jp/musique/Prism/ProgressEve.mp3
掲載ページ:http://www.signes.jp/musique/index.php?id=689
最初にイメージしていたのは、ネットで知り合った札幌の若い才能、Tomoyuki Sakakidaさん(http://tomoyukisakakida.uijin.com/)のいくつかの曲。漠然と、プログレッシブ・ハウスってのは4つ打ちバスドラにラテン系16分シンコペーション入って、洗練されたエレクトロサウンドで・・・という勝手なイメージを抱いた。
ただ、プログレッシブ・ハウスという名を冠するコンピレーション・アルバムをいくつか聴いてみたが、必ずしもこのイメージには収まらないようだ。Yesなどかつてのプログレッシブ・ロックがクラシック風な和声を取り込んだらフュージョンみたいになったように、ハウスは進化(Progress)して、エレクトロニカ的なサウンドの拡張に傾いているらしい。その中身は、実際はかなり多様で定義しがたい。ただし、テンポがBPM120-130くらいという点だけは固定されているようだ。
私が最初に「プログレッシブ・ハウス」でイメージしていた曲調は、Sakakidaさんに紹介してもらったDinkaによく当てはまった。iTunes Storeで売っている最新アルバム「Hotel Summerville」は、同工異曲の単調さや、映画音楽みたいな甘さはあるが、それでも全体に素晴らしい作品で、私のお気に入りアルバムになった。
さて私の今回の作品、Dinkaのサウンドを念頭に置きながらも、もっと自由に和声を走らせ、例によって転調しまくってやろう、そしてメロディーも明確にしよう、というスタンスでやってみたところ、あんまり「プログレッシブ・ハウス」ぽくなくなったかもしれない。
私にしてはリズムパターンをはじめ、ずいぶんと繰り返しが多いのだが、それでも、狙っていた「冗長さ」には届かなかったかもしれない。
ハウス、というかクラブ系・エレクトロ系の音楽は、「作曲」というより、「サウンドデザイン」という言葉がぴったりくる。サウンドの制御によって「音楽」を創る。象徴的なのは「DJ」という存在。彼らは「作曲」さえしていない。
プログレッシブ・ハウスの精神的支柱は「気持ちよさ=快の探求」だと思ったので、今回はそのつもりでサウンドデザインを練った。そのへんの技術に関しては、勉強になったかなと思う。予想外のアクシデント続きで、ちょっと集中力が切れたかもしれないが。
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