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CG動画版「rm -r」

textes/notes/雑記

written 2010/6/15


 先日完成した「rm -r」に、今回はずいぶん時間をかけてCGをつくり、動画化した。
 Shade 8.5で3Dオブジェを作成し、オブジェやカメラを動かしてアニメーション化する。この出力(レンダリング)に恐ろしく時間がかかり、10秒程度の動画を作成するのに、3時間から10時間くらいかかる。もっと高精度のCGにしようとすると24時間あってもたりないだろうから、ある程度品質を落とさざるを得ない。毎日iMacの電源をつけっぱなしで寝る状態で、レンダリング中は私自身はヒマなので読書したりしていた。
 個々のシーンを出力したら、それをiMovieで編集する。この作業は、映画監督みたいな気分で楽しい。飽きないような、多彩な動画にするためにはシーンを沢山用意しなければならないから、それが辛かった。CGを専門にやっている方には到底かなわない。

 こうして完成したミュージックビデオは、今までになく好評なようだ。とはいえ、宣伝がうまくないせいでアクセス数が伸びないようだが。

 この曲が、私の音楽にしては(主にエレクトロニック系の好きな方々に)受けがいいのは、いつになく明確な表現体になっているからだろう。
 私はいつも、情緒や意味をごちゃまぜにすることを好み、絶えず意味作用を宙ぶらりんにし、全体として不透明さに近づいていくのだが、この曲は一言で言うと「暴力的」というわかりやすい意味作用に結実しているように見えるのだろう。
 だが実は、ノイズ群以外の要素つまり、ストリングスの和声やピアノ、メロディ、変拍子といった要素は、これまで制作してきた音楽から隔たっているわけではない。むしろ、相変わらずのことしかやってないという意味で保守的と言っていい。
 ただし今回は、宙ぶらりんの不透明な音楽性を、激しいノイズ群とせわしないリズムで埋め尽くしており、結果的に、表出過剰な力動的性質が、静止へと向かうエントロピー最大の状況を打ち壊している。(だが、「そう見える」だけのような気がしている・・・)

 最近はAutechreやAphex Twinのほか、Bola、Team Doyobi、aus、Squarepusher、μ-Ziq、Boards Of Canadaなど、エレクトロニカ系を聴きあさっている。彼らのようなメジャーに限らず、MySpaceなどの音楽サイトを歩き回ってみると、おもしろいサウンドクリエイターたちが、世界中にたくさんいる。私も当分エレクトロニックなサウンドづくりのセンスを磨いていくことになるだろう。
 次の曲もこの路線だが、まだ構想がまとまっていない。


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