雑記、古楽蒐集
textes/notes/雑記
written 2008/1/28
注文していたCDが続々と届いてきて、なかなかじっくりと聴ききれていない。
ヨハネス・オケゲム(1410−1497)のミサをThe Clerks' Groupが歌った5枚組の「オケゲム・ボックス」はなかなかよかった。私もジョスカン、パレストリーナ、バードのCDを持っているタリス・スコラーズも完璧な美しさだが、こちらクラークス・グループも、すっきりとしていて美しい。今度彼らによるジョスカンのCDも聴いてみたい。
特に中世・ルネサンスのア・カペラのCDでは、演奏者によってまるで印象が違う。ときにはまるで違う曲に聴こえることすらある。書かれたものの情報が少ないので、解釈に非常な幅が出てくるのだ。これは経験していくしかないのかもしれないが、まあ、タリス・スコラーズあたりは評価が決まっていて無難。一方ルネ・クレマンシックの演奏はかなり好き放題やっており、初心者は避けた方がいいかもしれない。
オケゲムの音楽はジョスカンほどキャッチーではないが、味わい深い。もちろん、音楽史上の「偉大さ」は格別である。オケゲムなくしてジョスカンはあり得なかった。
時間をかけてこの5枚を聴き込みたいと思う。
安いので買ってみた2枚組「ピュイ写本」は今のところ、結構謎だ。1枚目には11世紀フランスのトロープスなどが収められている。2枚目が「ピュイ写本」で、Puyというフランスの中央あたりにある田舎?に伝わった写本であるらしく、ブックレットによると12−16世紀の楽曲が収められている。
私がほとんど唯一の資料として活用している「中世・ルネサンスの社会と音楽新版」にもこの写本については直接明記されていないが、16世紀ごろ各地で聖務日課のための写本が編まれたようだから、そのひとつなのだろう。
このCDはどの曲も作曲者が示されていない。すべて無名の作者によるものか。
うーん、謎のCDを買ってしまった(・・;)
まあ、音楽史を考える上では価値あるCDではあるかもしれない。安いし。
それから、アルフォンソ10世の『聖母マリアのカンティガ集』。
別のところで書いた「地中海のクリスマス」と同様、アレンジが施された、ちょっと民族音楽ふうのCD。これは楽しい。しかし13世紀のアルフォンソ10世によるカンティガ集は、もともと単旋律歌集のはず。ただ、写本には沢山の楽器の挿絵があって、「このように合奏を交えて歌われただろう」という推測に基づいた演奏だと思う。
しかし、当時の楽器演奏とか、どの程度正確に推測できているのか。つくづくそのへんを音楽の先生に聞いてみたい。
あと楽しかったのは国内盤の、これまた安い2枚組で、「ダンス・オブ・ルネサンス」。沢山の曲が盛り込まれていて、おもしろい。
ただ、1枚目の前半に入っているプレトリウス、ヴィートマン、シャインは調性音楽的であり、ルネサンスからバロック時代に踏み込んだ時代の音楽と思われる。私には舞曲が45曲も入っている2枚目の方が興味深い。
えーと、その他最近買ったのはイザークに、スウェーリンクに、ダンスタブルに、リュート曲集に、・・・
・・・んー、聴き込む時間が足りない状態です。
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