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ミクスチュア

textes/notes/音楽

written 2006/12/5


クラシック音楽の作曲は、根本的に「自由」なのだと思っている。
ビートやスタイルにとらわれることなく、奔放に音楽性を展開していくことを、純粋なクラシック音楽のスタンスとするべきではないのか。
こんにち、ポピュラー音楽とクラシック音楽が非常にかけ離れてしまったのは、特別な理由があるとは思うものの、元来、バッハにしてもモーツァルトにしても、当時の世俗音楽の舞踊性などを積極的に作曲へ取り入れていたはずだ。
それを現在の音楽の状況下でやればどうなるのか。

このことをずっと考えてきたが、「ビート」というものの処理について迷うところがあり、難しかった。かつて書いた「Amoeba」はこのような観点による「ミクスチュア」の試みだったのだが、結局はジャズになってしまい、失敗した。
「とおりゃんせの主題によるジャズ・フーガ」では、基本的にジャズであることから逃れようとはせずに、気楽に遊んだ。

いま書いている「ミクスチュア」はもっと途方もないもので、まあ、スクリャービン+武満徹+ストラヴィンスキー+メシアン+雅楽(笙)+ライヒ+ジャズ+エレクトリック・ミュージック+バッハみたいな感じだ。
もっとも私に可能な範囲でそれぞれを取り入れているだけなので、そんなに凄いことにはなっていないと思うが。

「鬱」のこともあるので、私はいま、けっこう自由に書いて楽しんでいる。どこか一点に偏ることなく、奔放に混ぜ合わせているつもりだ。実はこれは相当難しい作業のはずだが、とりあえず今回は失敗してもいいや。くらいの気持ちで、気楽に書いている。

おまけに諸々のスタイルのミックスというだけでなく、ずっと懐中にあたためていたアイディア「群のフーガ」をついに、実地試験している。「群のフーガ」にはいろんなやり方があると思っているのだが、とりあえずはそのうちの、単純な一例、試作品となるだろう。

だが、書くのにだいぶんかかっている。これからも相当時間が必要だ。
いつも書いている鍵盤楽器ソロではなく、多数のトラックをいじらなければならないし、トラック間のバランス調整など、やっていくときりがない作業だ。
この曲を作るため、まだぜんぜん使いこなせていないDAWソフト「Logic Express」もようやくいろんな機能をいじり出したところで、そのほかにソフトウェアシンセだとか、新しく先日購入したMIDIマスターキーボード、KORGのKONTROL49などもあらたに操作を覚えながら、制作にとりくんでいる。
そんな状況で遅々として制作は進まず、毎日ほんの少しずつ前進しているところだが、いまはそれをのんびりとかまえて楽しもうと思う。
そうだ、あせっては、いけない。

まあ、今回は失敗作になってもいいやと思って好きなように書いているので、あまり期待しないでください。(期待している方がいらっしゃるとするなら)
病床の手慰みみたいなものでもあります。
(なお、今回はソフトシンセも使用しているので、完成してもMIDIでの公開はできません。MP3オンリーとなります)


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