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モーリス・ラヴェル

textes/批評/音楽

written 2003/9/6


Ravel, Joseph Maurice (1875-1937)

本当に技巧の巧みな人。 美に対する感受性は素朴で、一方形式に対する感覚はきっちりしているので、ドビュッシーより好きという人も多いかもしれない。 なお、音楽史では「印象派」にくくられているが、 ラヴェルが印象派的であったのは初期におけるごく一時期のことで、 彼のスタイルは独自のものだ。
その純朴な感覚には素直に共鳴できる。
ただ、その造形美は精巧を極めてはいるものの、どこか箱庭的だ。
ラヴェルは外に出て行かない。彼の仕事はひたすら、 瓶の中で美しい帆船をつくることだけだ。

ダフニスとクロエ (1912)

ラヴェルの完璧なワザを堪能するのに絶好の音楽。「朝」の描写部分は聴く者を興奮させる。

ステファヌ・マラルメの3つの詩 (1913)

室内楽+声楽による歌曲。非常な美しさをたたえている。シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」に触発されて作曲したものらしい。
ラヴェルの歌曲は俗っぽいものも多いが、この曲と「マダガスカル島民の歌」は絶品である。レコード会社が「ボレロ」や「パヴァーヌ」ばかりを無数に販売しながら、こういう名曲が隠れたままにされているのは実に惜しい。

ピアノ三重奏曲 (1914)

ラヴェルにしても至高の一品。
アンティークな美しさと近代的な鋭い感覚をマッチングした、ラヴェルならではの世界を完璧にあらわしている。

ピアノ協奏曲 ト長調 (1931)

とにかくすばらしい第2楽章。
これは私がかつて聴いた中でもっとも美しい音楽、と言っていいのかもしれない・・・
モーツァルトの晩年の音楽を除いては。


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