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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

textes/批評/音楽

written 2003/9/6


Mozart, Wolfgang Amadeus (1756-1791)

音楽史上、唯一無二の天才。
21世紀となった今にいたるも、 純粋にナチュラルな音楽といえばモーツァルト以外考えられない。 赤ん坊に聴かせるのに最適とか、植物にモーツァルトを聴かせて育てるとよく育つとか、 真偽のほどはわからないがモーツァルトならありそうだ。
しかしモーツァルトの楽譜を読んでみると、必ずしも「ナチュラル」ではない。 不協和音も随所にあるし、「え? この音で合ってるの?」みたいな部分もある。 それが実際に耳で聴くと「ナチュラル」に美しく響くのだ。天才の技であろう。 すばらしすぎて、真似しようとも思わない。

ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K503 (1786)

堂々とした雰囲気の曲。 第3楽章半ばで突然出てくる付点リズムのメロディーがとても美しい。

クラリネット協奏曲 イ長調 K622 (1791)

この曲はほんとうに別れの音楽に聞こえる。特に第2楽章から第3楽章。
豊かさがせつなさと隣り合わせになっている。 音そのものがこころの真実だ。

レクイエム ニ短調 K626 (1791)

最初の2曲以外は純粋にモーツァルトの作ではないという。 特に後半はつまらない音楽もあり、私自身、聴くときは「ラクリモサ」までにしている。
前半の曲は胸を打つ。ほんとうにシリアスで、ラジカルだ。他の作曲家なら身振りばかりシリアスに見せようとするところ、やはり天才は違う。いや、天才とかなんとか言うより、この音楽は何か異様である。
私はいつも、死にたくなったときにこの曲を聴いているのかもしれない。


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