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ガブリエル・フォーレ

textes/批評/音楽

written 2003/9/6


Faure, Gabriel (1845-1924)

昔、パスカル・ロジェ(p)がフォーレの初期作品を弾いたCDを聴いて、 「すごくきれいだな」と思った。 初期の作品は親しみやすく、ほんとに「きれい」という感じなんだけど、 後期になってくると「なんだか変だな」と感じる部分が多く、 聞き返していくとそれがフォーレならではの味わいだということに気付く。
後期の作品はじっくりと何度も聞き込める音楽。
ドビュッシーみたいに革新的でもなく、 ワーグナーほど表出的でもないフォーレの音楽は、 とても地味ながら有名な「レクイエム」とか「ペレメリ」 だけで終わってはもったいない。 しかしピアノのための晦渋な「前奏曲」あたりから以後は、 ついて行けるかどうか(ついて行きたいと思うかどうか)は 趣味の分かれるところかもしれない。
フォーレのベストは歌曲、という評価が一般的だが、 晩年の室内楽曲・ピアノ曲がいい。

歌曲集「イヴの唄」(1910)

緊張感に満ちた出だしが実に美しい。

ピアノ五重奏曲2番 ハ短調 Op.115 (1920)

フォーレ独特の複雑で精緻な音の織物。
たまにこの曲を聴くと、すごく感動させられる。妖しさとかそういう輝きではないが、美しいというのはこういう音楽のことをいうんだなと思う。

夜想曲第13番 ロ短調 (1921)

フォーレのピアノ曲は長くなる傾向があると思うが、 これはすごく興奮させる曲。感動の名曲だ。


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