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ハービー・ハンコック

textes/批評/音楽

written 2003/9/6


Hancock, Herbie (1940-)

ハービー・ハンコックが好きだ。
ピアノ・ソロでの昇天してしまいそうなドライヴ感がすごい。
自分のリーダー作だけでなくいろんなアーティストの作品に積極的に参加しており、バックに回っても適切なサポートをしながら、鋭いサウンドを構築する。
さまざまなスタイルを柔軟にこなし、ジャズ・フュージョンを牽引してきたサウンド・クリエイターでもある。

Future Shock (1983)

「Rock It」今聴いてもこれは新鮮な音楽だ。ビル・ラズウェルも独創的な奴だが、それにハービーが乗っちゃったところが衝撃的。当時として「未来的」な音楽を目指したのだろうが、その「未来」は未だに「未来」のまま。音楽全体の流れは、ここまでラジカルな方に向かわなかった。 ハービーにそのつもりがあったかどうか知らないが(たぶんないと思う)、音楽がガジェットとして存在するその存在の仕方が鮮烈だ。

The New Standard (1996)

ジャズのスタンダードというものはやっぱりおかしい。なぜ、未だに昔のミュージカルの音楽ばっかりやるのか?そういうところに、ジャズ界ならびにジャズファンの閉鎖性が現れているんじゃないか?
このアルバムはプリンスとかビートルズとかの曲を基本的に4ビート〜8ビートでアコースティックにやっている(そういえばゴンサロ・ルバルカバのイマジンもよかった)。
こういうのをもっと、どんどんやってほしいと思う。
特に1曲目のハービーのソロが典型的によい。非常に優れたアルバム。

Dis Is Da Drum (1994)

ハービーはこれを相当煮詰め、満を持して発表したらしいが、どうも期待したほど売れなかったようだ。
なぜだろう? やっぱりビル・ラズウェルが必要だったか?
しかしこれは、何度も聴き返すことの出来る、すごいアルバムだ。 一見ありふれた「今風の」音楽に聞こえるかもしれないが、味が深い。 特にリズムの練り具合がすばらしい。


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