ヨハン・セバスチャン・バッハ
textes/批評/音楽
written 2003/9/6
Bach, Johann Sebastian (1685-1750)
たぶん、古今東西もっとも偉大な作曲家。
バロック音楽の集大成者だが、バッハのことを理詰めで規範的な作曲家と考えるのは間違っている。その音楽は、感情表現を追求するためにしばしば規範を逸脱する。
バッハ・ポリフォニーはみごとな建築に似ているが、堅牢さと正確さだけが卓越しているわけではないのだ。
そこには確かに、知的なパズル遊びではない豊かな記号作用が存在する。
しかも、それらの記号作用は、単なる自己表白には終わらない深さがある。
バッハも確かに、時代の制約の中におり、「当時の」言語体系/思考様式の内側に閉じ込められてはいる。にもかかわらず、この音楽は、無限の高さへと上り詰めようとしている。
そこには、あまりにもすさまじい欲望がうごめいているようだ。
壮麗な感覚を伴う、オルガン独奏曲。 半音階書法を用いた表出力の強い幻想曲もいいし、やたら美しいフーガ主題(もとは民謡らしい?)もすばらしい。
平均律クラヴィーア曲集 1巻&2巻 (1722,1743?)私は、この曲集を一生弾き続けるのかもしれない。
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