インターネットについて
textes/思考
written 2002/1/10
インターネットという領域の中で呼吸するということは、記号たちの成す壮大な宇宙に身を任せ、自らが点となることを意味する。
点
は顔を持たず、名前を持つことも許されない。
もはや生存権も所有権も危うい状態に置かれ、人格は希薄化される。
そこではコミュニケーションも、メッセージを放つことも自由なのであるが、すべてが一様の薄さで記号化され、重さを持つことができない。その上、コミュニケーションでは相手の顔を特定できず、単なる記号に向かって話しかけているような感覚に包まれる。
インターネットとは質量や深さをもたない細胞によって構成された、ひらたい膜状の世界なのだ。
ところで、すでにインターネット産業への過剰な期待は敗北したらしく、多くのメディアのなかのひとつとして、インターネットは静かに受容されていくのだろう。
個人サイトをつくり、ミクロな一個の点となって、私は何をするつもりなのだろうか。
すべては馬鹿げた虚構であるには違いないが、まあ、私じしんが虚構なのかもしれず、しょうがないな、とつぶやいてみる。
そうしてまた、虚構の言葉を並べてみる。
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